クラフトマンポートレート

ミュリエル・ククベルグ

品質検査係

品質検査係の仕事は、製品をチェックしてバカラの高い品質基準に達していないピースを選定することです。まるで指の先に目がついているような鋭敏さが必要とされる職種です。私は、バカラ入社後、サンドブラスト部門に配属され、その感覚を養いました。今は、完成したピースの透明感や、そして何よりも、独特の音を立ててクリスタルが”歌う”のを聞くのが一番の楽しみです。私は、成形されたばかりの未加工の製品もチェックします。20年前に入社したときのこと、そして、初めて職人のアトリエを訪れた時のことは昨日のことのように覚えています。職人たちが窯を開けたときに突然あふれ出す光や、熟達した職人だからこそ、とても簡単そうに見える動き! シャンデリア、デカンタ、ビジュウ、ワイングラスやオーナメントなど、私たちは一週間に何千ものピースをチェックしているので、1個につき数十秒で欠陥の有無が分かります。私は、審美的基準と、技術評価表に照らし合わせてクリスタルを検査し、亀裂、不純物、気泡、バリや微細な割れ目といった欠陥がないかを確かめます。また、一部の商品については、ノギスやその他のツールを使って厚みを測定して基準を満たしているか検品します。バカラにおいて、チーム間の助け合いは基本であって、少しでも迷うことががあれば他のチームの知識や経験を頼ることができるのは幸せなことです。


© Trafalgar Maison de Portraits & Romain Chambodut